
エナジーチェックとは
前々回の投稿『「ホルモン年齢ドック」を受けてわかったメリットとデメリット』では「ホルモン年齢ドック」や「テロメア長の検査」のような加齢度測定はお勧めしませんとお伝えしていたのに、「何故また加齢度測定を?」と思われるかもしれません。
エナジーチェックは、ミライラボバイオサイエンス株式会社が2022年から提供しているミトコンドリア量測定検査です。自身で口腔内スワブによって採取した細胞を郵送で送付し、その検体中のミトコンドリア量をPCR法で数値化して1,000名以上の様々な年齢の日本人を対象とした臨床研究のデータベースを基に加齢度を測定します。
ミトコンドリアは身体を作っているそれぞれの細胞の中に数百から数千個 存在する小さな粒状の小器官でエネルギーを生成する役割を担っており、細胞の呼吸や代謝をサポートしています。また余り話題になりませんが、ミトコンドリアは体重の1割近くをも占めるともいわれています。
そして ここからが重要ですが、ミトコンドリアは加齢とともに減少しますが、減少する一方ではなく細胞のエネルギー需要に応じて数や容積が増減することが知られており、「断食」や「適度な運動」によりそうしたことが起こることが知られています(論文)。また、最近では「NMN」や「5-ALA」などのサプリメント摂取でミトコンドリア数の増加が期待されています。ということで、仮に悪い結果であっても、具体的な対策をとれることが他の加齢度測定と比べて異なる点です。
ミトコンドリアとは
ミトコンドリアが他の小器官と大きく異なる特徴は、もともとは別の生き物だった可能性が高いことです。好気性細菌という酸素を使ってたくさんのエネルギーをつくりだすことができる生き物が、細胞内に住み着いてミトコンドリアになったと考えられています(細胞内共生説)。それゆえに、ミトコンドリアのDNAは核のDNAとは違った細菌のDNAに似た特徴を持ちます。さらに、細胞分裂(核が分裂する)とは異なり、細胞が必要だと判断したときには 分裂して増殖することができ(半自律的な増殖)、これも元の細胞とは別の生き物であったからこその特徴と考えられています。
ミトコンドリアの重要性を早くから説いていた安保 徹医師
下記の本(2008年出版)は、検索した限りではミトコンドリアの健康への重要性を指摘する(サブ)タイトルをつけた日本で最初の本だと思われます。この本を読んではおりませんが、投稿「がん と診断された時にどう行動しますか?」で紹介した安保 徹医師の「ガンと生きる4つの法則(2011年出版)」という本に、「ミトコンドリアに呼吸させる」という項目があり、これを読んだ当時は ピンとこなかったのですが、ミトコンドリアの健康が全体的な身体の健康や病気の予防に重要であることを説いていたのだと、今になってようやく分かり感慨深い思いです。

エナジーチェックの受検と結果
現在、「ミトコンドリア量の測定」は ミライラボバイオサイエンス(株)だけが実施しています。自身で口腔内スワブによって採取した細胞を郵送で送付し、その検体中のミトコンドリア量をPCR法で数値化して1,000名以上の様々な年齢の日本人を対象とした臨床研究のデータベースを基に加齢度を測定します。結果はメールで通知されます。私の場合、投函して約3週間後でした。

エナジーチェックは加齢度測定の一つではありますが、幸いなことに先述の「ホルモン年齢ドック」のように 結果が「年齢」で示されるわけではありません。私の場合、期待に反して あまり良くない結果「Level.2(ミトコンドリア量はやや少ない)」だったにもかかわらず、冷静にこの結果を受け止めることが出来ました。
まとめ
今回、エナジーチェックを受けたのは体内年齢を知りたいということよりも、ミトコンドリア量が十分あるかを知りたかったからです。このように思えるのも、仮に不十分なときでも ミトコンドリアを増強することを謳うサプリメント(5-ALA)を試す良い機会だと思っていたこともあります。以前であれば、ひと月に10万円以上もするNMNしかないような状況だったので、とても試すことは叶いません。
ということで、今後 5-ALAを摂ってミトコンドリア増強が出来るのかを試す予定です。調べてみると 他にもミトコンドリア増強に効くサプリメントがありそうです。そういったことも含めて、次回の投稿で纏めたいと思います。