息子が高熱でヘルプを要請
下宿している大学生の息子から、「高熱(38℃)で節々が痛いので出来ればヘルプに来て欲しい」との連絡がありました。厚生労働省が毎週 発表しているインフルエンザ発生状況報告によると、12月2日~8日の1週間で定点当たりの患者数は京都府では 3.99 → 7.40へと急増しており、それから1週間たった今現在では さらに増加しているであろうことから、まず間違いなくインフルエンザ感染だと思われました。ちなみに、息子は予防接種を受けていませんが、仮に接種を受けていたとしても感染を予防することが出来なかったであろう理由は、投稿「インフルエンザワクチンで余り話題とならないこと」をご覧下さい。
下宿の近くには病院がない ということで、とりあえずレメディのGelsemium(カロライナ ジャスミン)を飲むように伝えました。このレメディは 彼が中学生の時に40℃近くあった熱を一晩で下げた実績があり(以前の投稿「レメディ」参照)、今回も精神的にも安心できると考えたからです。実際には彼の手持ちのレメディセットの中に見つからないということで こちらから持っていくことになりましたが・・。
ヘルプには妻が行くことになりました。ヘルプに行って感染することは、例えマスクをしていても十分に考えられます。そこで、「妻の感染予防」と「息子の早期回復」の観点から、妻が出かける1時間余りの間に至急 対策を考える必要がありました。ちなみに、妻も予防接種を受けていません。
妻のインフルエンザ感染予防対策
このような健康ブログを運営していると、こういう時に結構 役立ちます。妻は日頃、新型コロナ対策で挙げている順位1~5位までの事項(ビタミンD、酪酸菌+難消化デキストリン、リポポリサッカライド、鼻うがい、口腔ケア)を実施しているので、何も実施していない場合に比べて かなりインフルエンザにも感染しづらい状態にあることが期待出来ました。
追加の感染予防対策として、新型コロナ対策で挙げている順位7位の「補中益気湯」の服用を考えましたが買い置きがなかったので、代わりに「十全大補湯」の錠剤を出掛ける前に飲み、以降も食前に服用するように伝えました。どちらの漢方薬も「補剤(体力を充実させ、生体防御機能を整える)」と呼ばれる漢方薬の代表処方で、感染症に対する「予防」と「回復」に効果が期待出来ます。また、どちらも長期服用可能な成分(上品:じょうほん)を中心に構成されており、「十全大補湯」は中華料理の薬膳スープとしても有名なことから分かるように、副作用の恐れは ほぼ心配ありません。
息子のインフルエンザ早期回復対策
一方、「息子の早期回復」の観点からは、「亜鉛」と「麻黄湯」をヘルプへ行く途中の薬局で購入し、「十全大補湯」は家にあるものを持って行くことにしました。普段から息子にも ビタミンD、酪酸菌、リポポリサッカライドを飲むように言ってはいるですが、残念ながら飲んでいないようです。私から見れば、「だから感染したのではないか」と思うのですが、それはさておき 息子には今からでも飲んでもらうことにします。
ちなみに「亜鉛」はインフルエンザの早期回復に有効と厚生労働省が認める唯一の天然物です。その報告の中で「ビタミンC、エキナセア、プロバイオティクスに関してはエビデンス(証拠)は弱い」としています。
また、「麻黄湯がインフルエンザ治療の新たな選択肢に」という記事(日経メディカル, 2012年)もあるように、麻黄湯の研究では オセルタミビル(商品名:タミフル)およびザナミビル(商品名:リレンザ)とのランダム化臨床試験を行い、麻黄湯には これらと同等以上の解熱効果が報告されています。ただし、市販の麻黄湯の生薬量は医者の処方の半量程度なので、報告にあるような効果を求めるのであれば上記のような「満了処方」の製品を選ぶことも重要かも知れません。
麻黄湯は4つの生薬(麻黄、桂枝、杏仁、甘草)から成るシンプルな構成であり(葛根湯は7つで麻黄、桂皮、甘草は麻黄湯と共通)、漢方薬は構成生薬が少ない程 即効性が期待できる傾向にあります。一方、生薬「麻黄」には エフェドリンという中枢神経系賦活作用があり(ドーピング陽性になる)、高血圧、虚血性心疾患、不整脈などの地病を持っている人は慎重な服用が必要です。
実際の経過
妻が訪れたときの息子の体温は38.5℃で、かなり弱って寝ている状態でした。汗をかいているということで「麻黄湯」はやめて(麻黄湯は汗が出ていない状態で服用する)、夕食前に「十全大補湯」4錠、「亜鉛」1錠、少し間を開けて「Gelsemium」1粒を服用し、一晩 様子を見ることにしました。
翌朝に電話をすると朝食にお粥を食べている最中で、体温も36℃台に低下したとのこと。「十全大補湯」、「亜鉛」、「Gelsemium」の服用は続け その日は寝て安静に過ごしたところ、体温は36℃台で推移し、次の日以降 体調はまったく問題なかったそうです。
一方、帰宅した妻は、息子の部屋を訪れてから4日間経過した現在、特に感染した兆候はありません。幸いにも感染を免れることが出来たと思われます。
まとめ
今回の息子のケースでは、「38.5℃の発熱で節々が痛いこと」、「インフルエンザ患者数が激増していること」からインフルエンザと考えましたが、100%確かかと言われると断定はできません。そこで、今後に備えて以下のキットを購入することにしました。
今、流行しているインフルエンザでは重症例が多いということなので、そのような場合には 一刻も早く病院へ行く必要がありますが、通常であれば服薬せずとも 暖かくして安静にしていれば時間はかかっても治るものです。
そうはいっても、「早期回復したい」と思うのは人の常で、今回は日頃から集めている情報を総動員して1時間余りで対策を練りました。結局、「麻黄湯」は服用しませんでしたが、調べたことは無駄ではなく、「麻黄湯」が思っている以上にインフルエンザに効果的という情報を知ることが出来て大変勉強になりました。
息子は思っていたよりもずっとに早く回復し、本当にインフルエンザだったのかさえ疑うような嬉しい結果となりましたが、何が最も効果的だったのかは よく分かりません。 また、妻が同じ空間で2晩 過ごしたにもかかわらず感染しなかったのは、先述した日頃の「新型コロナ対策」が役立ったのかもしれません。
今回の経験は、海外旅行や簡単に病院へ行けない災害時に高熱が出た場合にも参考になると思いました。ただし、個々人で免疫状態が異なるので、薬やサプリ服用に対する応答は様々だということもお忘れなく。
【追記2024.12.23】
今回、妻は幸いにも感染せずに済みましたが、息子の部屋にも最新型のプラズマクラスターNEXT(50000)を発生する空気清浄機があればと思ったことを記しておきたいと思います。詳細は投稿「プラズマクラスター空気清浄機を買い換えた感想」をご覧下さい。