1年ぶりにFreeStyleリブレ2で血糖値を測定すると・・・


 

 「糖質制限」に関しては、これまでに本ブログで何回も取り上げて来ました。

投稿「ケトン体質となるにはココナツオイルでなくMCTオイルが良い理由」(2023.12.19)
投稿「短期間で腹囲が爆増 (80→92 cm)したのはMCTオイルの摂取が原因か?」(2024.6.27)
投稿「FreeStyleリブレ2で血糖値をモニターして気が付いたこと」(2024.7.6)
投稿「持久力向上に効果があるもの:ケトン体質、腸内フローラ、アスタキサンチン、β-アラニン、水素吸引」(2024.10.5)
投稿「20冊近くの「糖質制限」に関する本で分かったメリットとデメリット」(2025.2.4)

 
 今回、「ロカボ(緩い糖質制限:糖質 100~130 g/日)」を約1年続けた結果、血糖値モニターにどのような変化が見られたかを ご報告したいと思います。

ロカボ生活の実際

 「ロカボ」が何たるかの詳細は、先述の2025.2.4の投稿をご覧いただくとして、私がこの1年間に意識したことは以下の通りです。

・ 砂糖入りの飲食(特に飲料)をなるべく避ける
・ 果物は食べ過ぎない(夕食では出来るだけ食べない)
・主食の糖質量は、朝食10 g、昼食20~50 g、夕食15 g(他の食材や調味料からも併せた総糖質量として100~130 g程度と推定)。主食が少ない分、油脂、タンパク、野菜は十分に摂る
・ ベジタブル or タンパク ファーストで食べる(主食は最後に)
・ 高カカオチョコ(70%以上)を食前、食間に1枚(5 g)食べる[脂肪肝対策として実施]

血糖値モニターの結果はいかに?

 血糖値の日内パターン(14日間平均)を昨年と比較してみました。ぱっと見て違いが分かりませんが、明らかに以下の2点で違いがあると思われます。

① 3食(朝、昼、晩)の血糖値の山がなだらかになっている
② 夕食~朝食(特にAM3~6時)にかけての空腹時血糖値が昨年は100 mg/dL以上なのに対して、今回は100 mg/dL以下であり、約10 mg/dLの差がある

 「ロカボを1年間続けてもこの程度の差か」と思われるかもしれませんが、②に関しては大きな意味があると考えます。というのも、空腹時血糖値 100 ~126 mg/dLは「糖尿病予備軍」とされる(126 mg/dLは糖尿病)からです。つまり、「ロカボを1年間続けることで糖尿病予備軍から脱却できた」ことを意味します。



糖質制限の血糖値への影響はまだ研究段階

 2024.7.6の投稿で「1型糖尿病の成人が 適度な糖質制限(カロリー摂取の炭水化物比率を50% → 30%)をすると健康に悪影響をもたらすことなく14日間の平均血糖値が低下(11 mg/dL)し、24時間のうち血糖が目標域におさまる時間が増加する」という報告2024年)をお伝えしました。しかし、適度な糖質制限が健常人においても平均血糖値の低下をもたらすとは限らない点には留意が必要だとも記しました。

 今回の結果は、(糖質予備軍ではあるが)健常人が糖質制限により上記報告と同程度に血糖値を下げることが出来た一例といえるのではないかと思います。

まとめ

 私がロカボ(緩い糖質制限)を始めた契機は「ぷちケトン体質」となるためであって疾病対策としてではありませんでしたが、その過程で腹囲が爆増し(脂肪肝)、糖尿病予備軍であることが判明しました。今もって原因は分かりませんが、「MCTオイル(摂取推奨量範囲内の1日に大さじ3杯)」が疑わしいと思っています。幸いこの1年で腹囲は88 →84 cmへとメタボ基準(85 cm)以下へと減りました。

 ところで、「脂肪肝」と「糖尿病」は密接に関係しています。福島県立医科大学が行った研究では、脂肪肝のある男性の糖尿病発症率は12.5%、女性では26.3%と 脂肪肝のない人と比べると糖尿病の発症リスクは男性で約4.8倍、女性で約14.5倍に上昇することが報告されています。また、患者の年齢や肥満度、罹病期間により異なるのですが、2型糖尿病患者の21%〜78%が脂肪肝を合併してるとも報告されています。

 つまり、脂肪肝と糖尿病は互いに原因にも結果にもなり得る関係なのです。脂肪肝がインスリン抵抗性を悪化させて糖尿病のリスクを高める一方で、糖尿病が肝臓に脂肪を蓄積させて脂肪肝を引き起こすという悪循環が存在します。

 ということで、ロカボは「糖尿病」にも「脂肪肝」にも有効です。先述した「ロカボ生活」はまったく苦ではないので今後も続けていくつもりですが、1年後にどのような変化があるかを また報告したいと思います。