プラズマクラスターを搭載するシャープ空気清浄機を自宅用として購入するのは今回で5台目となります。空気清浄機能を持たずプラズマクラスター発生のみを主目的とした機器も含めると10台目と さらに多いのですが、今では自動車や電車、エレベーターにも普通についているので、購入したことがなくても誰もが知らぬ間に接している技術と言えるでしょう。
実はプラズマクラスターには思い入れがあって、2000年の販売開始前に 勤めていた製薬会社内で回覧された新聞(確か日刊工業新聞)に、「ウィルスや菌を抑制するプラズマクラスターなるものを発生する空気清浄機が発売される」旨の記事を見つけ、ちょうどその頃、研究所で動物細胞を培養する環境の悪化を改善する必要があったことから、「そのための手段として役立つのではないか」と 発売と同時に数台を研究施設に導入しました。
今になって考えると、「研究施設の容積に対して設置台数が明らかに少ないこと」や「 換気効率が通常の部屋よりも圧倒的に高いこと」から、プラズマクラスターを発生させても 殆ど意味はなかったと思うのですが、その時には他に同時に行った対策のおかげもあってか環境の悪化を改善でき、大変満足したのを覚えています。
ということもあって、自宅でも常にあるのが当たり前になってはいましたが、久しぶりにプラズマクラスターを搭載する空気清浄機のカタログを見ると、一部機種では その機能がかなり進化していることに気がつきました。
現在、プラズマクラスター製品の数値には3種類(7000、25000、50000[NEXT])あり、その数値は「中」運転時に適用床面積の部屋中央(床上1.2 m)で測定した1 cm3あたりのイオンの個数の目安を示しています。プラズマクラスター25000、50000(NEXT)では、(取り囲んで効果を発揮し易い)浮遊物だけではなく、(片面からしかアタックできない)付着したカビ、ウイルス、菌などに対しても効果があることが示されています。
私が今まで購入していた空気清浄機はいずれもプラズマクラスター7000だったので、今回はプラズマクラスターNEXT搭載機器(以下の機器)を迷わずに購入し、様々な効果を実感したいと思いました(2024年7月)。ちなみに、アマゾンの購入価格で3万円以下の機種はプラズマクラスター7000であり、4万円以上からプラズマクラスターNEXT搭載機種を選ぶことが出来ます。
本製品を7月に購入した理由の一つに「エアコンのカビ対策」がありました。しかし、10月になって気がついたときには 吹き出し口 や フラップに大量の黒カビが発生していました。この点は非常に期待外れであったのですが、以下の原因が考えられます。
先に述べたようにプラズマクラスターが50,000個/cm3測定されるのは、(閉ざされた)適用床面積の部屋で「中」運転したときであり、「自動」運転していると殆どの時間は風量が「中」運転の約1/3の「静音」運転となり、さらに自宅の部屋は24時間換気されていることも合わさって 付着したカビを抑えるプラズマクラスター濃度に達しないことが考えられます。
また、あまり考えたくないことですが、そもそもプラズマクラスターには それほどの効果がないということも考えられます。ちなみに、2012年に国立病院機構仙台医療センターの医師から「プラズマクラスター」や「ナノイー(パナソニック製)」などの効果を「否定」する論文が発表されています。
一方で、イトーヨーカ堂の冷蔵食品コーナーの天井カビ対策にプラズマクラスターを導入後3ヵ月でカビ抑制の効果を実感したという例をはじめ、多くの企業での導入例も報告されています。
まとめ
今回、プラズマクラスター や ナノイーの効果を示す結果を改めて調べてみると、その実験条件に疑問を感じるのも事実です。一方で、これだけ多くの企業(自動車、エレベーター、電車、店舗など)が利用しているからには、各社がその効果を実感しているということも事実でしょう。
上記のプラズマクラスターNEXT搭載機器を購入し4か月経ちますが、「付着カビの増殖を抑える効果」に関しては疑問が残るものの それ以外に関しては概ね満足しています。また、同居人が感染症にかかったことを考えると、この機器が有るか否かで安心感が全く違うことでしょう。
【追記2024.12.22】
先日、インフルエンザに罹ったと思しき息子からの要請で妻がヘルプに訪れたことを投稿「インフルエンザ感染予防・早期回復のための対策と結果」に纏めました。最終的には妻は感染しなかったのですが、息子の家にもプラズマクラスターNEXT(50,000)を発生する本機器があれば、精神的にも安心できたのにと思いました。しかし、本機器はそれなりに大きく存在感があるので、小さい部屋に置くには少しためらわれることも事実です。
一方、ヘルプにあたった妻の帰宅にあたっては、本機器を「中」運転し(通常は音が目立たない「花粉」運転)、もし妻が感染しても私にも感染しないようにして迎えました。その実効性はともかく、本機器が有ることで非常に安心できました。
本文で書き忘れた本機器の機能として「スマートフォンで温湿度を確認できる機能(過去1週間分)」があります。部屋の環境を整える上で非常に便利なので追記しました。