大塚製薬の栄養モニタリング検査「Vivoo」を使ってみた



 前回の投稿で明治の「免疫チェック」が非常に安価(3278円)で、企業としての儲けにつながるかが心配になったことをお伝えしましたが、今回ご紹介する大塚製薬の「Vivoo」は、驚くことにさらに安価(4回分、2900円 [送料込み])です。

 「免疫チェック」のように検体を送り返す必要がないので、検査に人手がかからないことがその主な理由と思われます。そうなると、結果の精度が心配になりますが、そういった点も踏まえてお伝えできればと思います。

Vivooとは

 「Vivoo」はVivosens Inc.(米国 、以下「ビボセンス社」)が2020年に開発・販売した栄養モニタリングサービスで、日本では大塚製薬が2024年9月から販売をしています。

 尿をかけた試験紙を専用アプリで読み取ることで、ビボセンス社独自のテクノロジーである人工知能と画像処理技術により自身の栄養状態をその場で測定し、その測定結果に合わせて管理栄養士が監修した食や生活習慣のアドバイスを提供するサービスです。


 

大塚製薬HPより




実際に使って分かった注意点

 Vivooを4回 使った今ではスムーズに測定できるようになりましたが、初めての測定では以下の点で戸惑いました

90秒経過後に試験紙の余分な尿をふき取る方法はどうするか?
→神経質にならずにトイレットペーパー で吸い取らせる感じで上から押さえる(こすらない)

スキャンではスマホを持つ手の影が邪魔しない撮影位置を予め確認しておくことが重要

 
 特に②に関しては、なかなかスキャンが上手くいかず、成功するまでに数分はかかったと思われます。それが結果にどの程度 影響するのかが心配になりましたが、それに関する情報は説明書に書かれていませんでした。

結果はどうだったか

 1回目(3月1日)の検査では、「肉/野菜バランス」が7点、食塩摂取量が6点でそれ以外は10点(満点)でした。総合点は8.7(10点中)と決して悪くはないはずですが、どうしても低い点の部分が気になります。特に「肉/野菜バランス」は1回目:7点、2回目:8点と日常で野菜摂取に気を付け、肉よりも魚を食べている自分としては納得がいかない部分でした。

 これまでに計4回計測して、3回目、4回目はいずれの項目ともに満点でしたが、この間に食生活などで意識して変えたものはありません。なので嬉しい反面、何か釈然としない感覚も残ります。
 

結果はスマホでの確認のみなので 一画面で確認できる情報量は少ない。したがって、これはつなぎ合わせた結果


「肉/野菜バランス」とは?

 この「肉/野菜バランス」に関しては、肉をまったく食べない妻(野菜は沢山食べている)でさえ7点と低くて不思議に思って調べてみると、「肉/野菜バランス」は尿のpH(酸性・アルカリ性)を指標としていることがわかり、酸性に傾くと「肉/野菜バランス」の点数は低くなるとのことです。

 そして、肉だけでなく、魚、チーズなどの「タンパク質」には「硫黄」や「リン」といったミネラルが多く含まれいて、これらが体内で代謝・分解されると硫酸やリン酸といった「酸性」の物質が生み出されて尿が酸性に傾きます

 一方、大豆などの豆類にも当然タンパク質(硫黄・リン)は含まれていますが、同時にカリウム、カルシウム、マグネシウムといった「アルカリ性」のミネラルを非常に豊富に含んでおり、タンパク質から出る「酸」よりも、豊富なミネラルから出る「アルカリ」の力が勝るため、トータルとして尿はアルカリ性に傾きます

 ということで、肉をまったく食べない妻の「肉/野菜バランス」が低得点だったのは、一度に多く食べられない妻が1日に何回もチーズをつまんでいることが原因ではないかと思われました。

「栄養モニタリング」と言いながら 測定項目はたったこれだけ?

 先述したようにVivooで計測可能なのは「水分レベル」、「肉/野菜バランス」、「骨の健康にかかわるミネラル」、「食塩摂取量」、「ビタミンC」、及び「酸化ストレス」の6項目です。せっかくなら、もっと多くの項目が測定出来ればと思うかもしれません。また、「水分や酸化ストレスって栄養だったっけ?」とも思われるかもしれません。

なぜ これらの項目に絞られているのか?
 最大の理由は 尿に直接的に反映され易く、試験紙の色の変化(化学反応)で簡易かつ正確に拾えるからです(以下参照)。

水分レベル: 尿の比重や濃さでダイレクトにわかります。
食塩(ナトリウム)とビタミンC: これらは水溶性であるため、体内で過剰になった分、あるいは摂取した分がそのまま尿として排泄されます。
肉/野菜バランス(pH): 代謝後の「燃えかす」の酸・アルカリ度です。
骨にかかわるミネラル(カルシウム・マグネシウム): 尿中に排泄される量から、摂取量や骨からの溶出を推測しやすいためです。
酸化ストレス: 体内のサビ(脂質過酸化反応)によって生じた特定の老廃物(マロンジアルデヒドなど)が尿に出る性質を利用しています。

これら項目の測定だけで「栄養モニタリング」として十分か?
 結論からいえば、これらだけでは「全身の栄養状態」を完全に網羅しているとは言えません。尿検査で測定出来るのは「直近数日〜数時間の代謝」であり、以下のような重要な要素は尿からは測定できないからです。

脂溶性ビタミン(A、D、E、K): 尿には溶け出さないため、測れません。
鉄分や亜鉛などの微量ミネラル: 血液検査でなければ正確な貯蔵量はわかりません。
タンパク質や脂質の「吸収力」と腸内環境: これらは便(便中フローラなど)を調べないと実態が掴めません。
中長期的な蓄積(血糖値やコレステロール): 血液検査が必要です。

 では、このキットが不十分かというと そうではありません。血液検査や腸内細菌叢の検査が「数ヶ月〜1年に1回の人間ドック」だとすれば、Vivooは「日々の運転ダッシュボード」のような役割を果たします。 

水分」や「酸化ストレス」って栄養か?
 「水分」は「5大栄養素(糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル)」には含まれませんが、近年ではその重要性から「第6の栄養素」として扱う専門家もいます。「酸化ストレス」も栄養素ではなく、「体の状態」や「代謝の結果」を示す指標です。

 ということで、「尿中バイオマーカーによる栄養・代謝状態モニタリング」が正確なキットの名称のはずですが、パッと見では分かりにくいので「栄養モニタリング」という名称になったものと思われます。
 

まとめ

 皆さんは「Vivoo」をご存じでしたか? 私は この健康ブログを始めて4年になろうとしており、健康にかかわる情報を日々集めるように努めていますが、それでも「Vivoo」を知ったのはつい最近です。それも、大塚製薬のような大手が販売しているにも関わらずです。

 広告をあまりしないからだとは思いますが、良い製品でも世の中に浸透させることがいかに難しいかを考えさせられました。なお、本製品が非常に安価(1回あたり約800円)であることを先述しましたが、週に1回測定することを推奨しており、サプリメントによくある価格設定(3000円/月)のビジネスモデルです。

 しかし、「週1で本製品を使い続ける方は少ないだろうな」と思います。興味で買う方は多いだろうけれど、私同様に4回も測定すれば、おおよその知りたい ことは分かってしまう感じです。ビジネスはなかなか難しいものですね。

 この春に就職した息子がゴールデンウィークに帰省しました。まだ研修期間中でビジネスホテル住まいということもあり、朝はホテル提供のパンとコーヒー、昼は社員食堂で一番安い麺類、夜は近くのスーパーの総菜類で済ましていると聞いていたので、食生活を見直してもらう思いから「Vivoo」を実施することを勧めました。測定の結果、総合点は9.2(10点中)と予想に反して高い結果で、思惑とは異なりましたが とても安心しました。このような時に「Vivoo」は本当に便利だと思った次第です。