男性の私がBluetooth対応の婦人体温計を使ってみた結果



 体調管理の一環として、体重を毎日計測するために便利な体重計を以前、紹介しましたが、今回は便利な体温計を紹介したいと思います。私が退職前に勤めていた職場では、コロナ禍では毎日、体温を測定して記録することが求められました。私はやせ型で脇下を閉じても空間が出来易く、斜め下から体温計を差して、測定する側の腕を胸の前にクロスすることを意識して測るのですが、それでも正確な体温を測れているのか不安に思っていました。

 口中で測れば正確に測れるだろうとは思っていましたが、そのような体温計は婦人体温計しか存在せず、実際に使うまでには至りませんでした。しかし最近、便利そうなBluetooth対応の婦人体温計(オムロン社)が比較的安価に販売されていることを知り、婦人体温計であることに気後れはしましたが、購入し使ってみることにしました。


 特徴は、①毎日スマホに転送せずとも40日分のデータが保存可能な点、②スマホのアプリで記録を管理できる点、③約10秒と短時間で検温が可能な点です。病院では不特定多数及び幼児も使うので、衛生及び安全の観点から脇下で測る体温計を用いますが、正確に測るならば口中で測定する婦人体温計が勝るはずです。測定時間は正確であれば短いに越しことはなく、脇や口中を測定する体温計であれば、10秒で測定できる機種が最短と思われます。病院でも10~20秒程度で測定可能な予測体温計が今では一般的に用いられていることからも、精度的には問題ないはずです。また、婦人体温計であれば0.01℃の違いが表示されることからも、10秒で実測体温を予測する機能にメーカーはかなりの自信をもっているはずです。この点に関しては、自分でも検証してみました(結果は後述)。

 

婦人体温計(口中)と体温計(脇)の比較

 以下に、毎朝(一定時刻)起き上がる前に、婦人体温計(口中、10秒測定)と体温計(脇、15秒測定)を用いて検温した結果を示します(図1)。後者には、オムロン製の15秒で測定可能な予測体温計MC-680を用いました。

図1 婦人体温計(口中、10秒)及び体温計(脇、15秒)による予測体温の推移

 その結果、
・予想に反して、婦人体温計(口中、10秒測定)の値が体温計(脇、15秒測定)で測定した値を下回る傾向がみられました。一般には、口中の方が脇よりも0.2℃~0.4℃高いことが知られていますので、この様な結果になった原因は分かりません。
・私の結果(図1)は、オムロン社のHPに掲載の基礎体温表(図2)と比べると日々の値の振れ幅が大きいようです。もし私が女性であれば、高温期と低温期の区別がつきにくくて困るでしょう。ただし、図1の 46~55日における両体温計の値がパラレルに変化していることからみても測定値は結構正確と推察され、日々の値の振れ幅が大きいのは、私の体温の日間差が大きいことが原因と思われます。

図2 オムロンHPに記載されている基礎体温表の例

婦人体温計(口中)と体温計(脇)の精度

 ここで気になるのは婦人体温計(口中、10秒測定)及び体温計(脇、15秒測定)の測定精度です。それぞれの体温計を用いて、予測検温と実測検温を各5回実施しました(図4)。実測検温は各体温計が推奨する時間(どちらも測定時間[5分または10分]が経過するとピピと音が鳴ります)で実施しました。


図3 婦人体温計(口中)と体温計(脇)の予測検温及び実測検温

 その結果、どちらの体温計ともに短時間の予測検温でも比較的正確に検温できることが分かりました。一方、体温計(脇)の実測検温(1回目)の測定値がばらついた原因は分かりません。なお、今回の検温では、先述したような婦人体温計(口中、10秒測定)の値が体温計(脇、15秒測定)で測定した値を下回る傾向はみられずにほぼ同等でしたが、この原因も不明です。ただし、この検温を実施したときに、口中と脇の体温が同等であったことは恐らく間違いなく、そうすると図1で見られた婦人体温計(口中)と体温計(脇)の値が必ずしもパラレルに推移しないことは、測定誤差だけが原因ではないのかもしれません。つまり、測定日によって口内と脇の体温の関係(温度差)が異なる可能性もあるということです。


まとめ

 一般に婦人体温計(口中)を使うことの一番の利点は、測定するポイント(舌下の中央の筋の脇)に正確にセンサーを押し当てることが(短時間であれば)容易な点です。また、このBluetooth対応の婦人体温計であれば、①毎日スマホに転送せずとも40日分のデータが保存可能な点、②スマホのアプリで記録を管理できる点、③約10秒と短時間で正確に検温が可能な点が想像以上に便利で比較的安価(3000円程度)なこともあり、本当にお勧めです。

 なお、体調管理のために日々の体温を比較するにあたっては、同じ条件(時刻、姿勢、食事後の時間など)で測定することが非常に重要な点お忘れなく。